2007年7月30日月曜日

マンション欠陥施工に対する東急不動産の呆れた説明

呆れたマンション業者たちです。莫大な慰謝料を請求してやりましょう!(怒)

(オーマイニュースより引用)

 東急不動産の分譲マンション「アルス」(2003年9月に竣工 東京都江東区)で、特定の部分のみ排水通気管の口径が細い、という問題が判明した。特定部分の口径が細くなっているため、排水時に通気不足が生じ、排水管からゴボゴボという大きな騒音が発生し、居住者を悩ましていた。

 問題の物件は、株式会社ピーエス三菱東京建築支店が施工したマンションで、株式会社昇建築設計事務所(金井照彦代表)の竹内久・一級建築士が設計・監理者となっている。

 驚くべきは、特定の部分のみ通気管口径が細くなった経緯に対する、東急不動産の説明である。

 東急不動産は、マンション管理組合宛回答書(2007年4月26日)において、ようやく経緯を説明した。

 「施工会社からは、現場で本系統は7F天井懐で梁との納まりの関係で施工難易度高く、他の選択・施工ができないかの問い合わせを、設計・監理会社に行ったこと申告ありました。一方、設計・監理会社は、本件は、販売用パンフに従い室内空間等を確保し、配管径も確保・施工するよう指示あったとされています」

 回答書では、ピーエス三菱と昇建築設計事務所による責任のなすり付け合いを、東急不動産が他人事のように記述している。

 しかし、ピーエス三菱と昇建築設計事務所の両者の主張は、共に筋が通らない。

 第1に、施工会社には、設計通りにマンションを施工する責任がある。施工会社が、設計者に設計変更の希望を口にすることは許されるが、設計者が変更に応じない以上、設計通りに施工しなければならない。設計者の了解を取らずに、勝手に施工しやすい方法でマンションを施工してしまったならば手抜き施工になる。

 ピーエス三菱は昇建築設計事務所に対し、「他の選択・施工ができないか」という問い合わせをしたとされる。しかし、昇建築設計事務所が、ピーエス三菱の問い合わせに応じて設計変更したとは主張していない。

 反対に、昇建築設計事務所は、配管径を確保して施工するよう指示したと主張する。設計変更がなされていないにもかかわらず、ピーエス三菱は施工難易度が高いという工事会社の都合で、勝手に細い配管で施工してしまった。ピーエス三菱のしたことは、手抜き施工である。

 第2に、監理者には、設計通りにマンションが施工されたかを確認し、されていない場合に是正する責任がある。ピーエス三菱が、勝手に細い配管で施工したことは問題であるが、それに対し、確認・是正しなかった昇建築設計事務所の竹内久・一級建築士は、工事監理者としての責任を果たさなかったことになる。

 結論として、ピーエス三菱も昇建築設計事務所も、共に責任を有耶無耶にしているが、両社に責任があることを示している。それを悪びれずに、平然と「アルス」管理組合宛ての文書で書く、東急不動産の神経にも驚きである。

 マンションは、多くの消費者にとって、一生に一度あるかないかの大きな買い物であるが、作り手が品質に対して、いい加減であることを示す一例である。

2007年7月26日木曜日

新たにマンション5件で計算ミス 国交省の耐震抽出調査

 国土交通省は25日、耐震強度偽装事件を受けて進めているマンション耐震性に関する抽出調査で、新たに五つの分譲マンションに構造計算書の誤りが見つかったと発表した。いずれも強度は建築基準法の基準1.0を上回っているという。

 国交省によると、マンションの所在地は静岡、岐阜、熊本、宮崎、沖縄の各県。地元自治体の検証で構造計算書と設計図の不整合が見つかったが、意図的な偽装ではないという。

 抽出したサンプル389件のうちこれまでに331件の調査が終わったが、今回の結果を含めて計算ミスが28件(うち強度不足2件)、偽装による強度不足は1件、問題なしが302件となっている。

(Asahi.comより引用)

意図的な偽装ではないといえ、このような場合、補償などはどうなるのでしょう?
やはり、タダではすまない問題でしょう。

2007年7月25日水曜日

マンション向け緊急地震速報サービス

 つなぐネットコミュニケーションズ(つなぐネット)は24日、マンション向け緊急地震速報サービス「SCOOP(スクープ)」を発表した。気象庁から発信される緊急地震速報を、IPv6マルチキャストにより各マンションに配信するサービスで、今後新築されるマンションを中心にサービスを展開する。

 つなぐネットは丸紅、三菱地所、東京建物の3社による合弁会社で、マンション向けのインターネットサービス「e-mansion」を手掛けており、6月末現在で1,325棟のマンションにサービスを導入している。つなぐネットではこのインフラ構築技術を活用し、新たに緊急地震速報マンションに配信するサービスを開始する。

 開始するサービス「SCOOP」は、地震発生時に気象庁から発信される緊急地震速報を、光回線を利用してマンションに配信するサービス。緊急地震速報は、震源に近い地震計が捉えた地震波から地震の規模を算出し、気象庁が各地に推定震度や地震到達までの時間を速報として配信するシステム。10月からは一般向けの提供が開始されるが、SCOOPでは単に地震速報を伝えるだけでなく、各マンションの立地条件なども考慮に入れた震度予想を行なうことや、地震前・地震中・地震後のそれぞれのタイミングで取るべき行動を音声でアナウンスする点などが特徴となっている。

 地震が発生した場合、気象庁から発信された緊急地震速報は、つなぐネットから各マンションへの光ファイバにより、IPv6マルチキャストを用いて配信される。この情報を受信した各マンションの地震情報解析機器は、地盤条件などを考慮して各マンションごとに地震震度と揺れ到達までの時間を算出し、マンション各戸のインターホンを通じて情報として配信する。

 このほか、マンション内設備と連動して、地震発生前にエレベーターを最寄りの階に停止させたり、オートロックを解除するなどの措置にも対応。また、入居者向けには防災マニュアルやDVDを配布し、緊急地震速報を受信した際にどのように行動すべきかの指針を示す。サービス提供の標準価格はマンション1棟あたり月額31,500円、1戸あたり月額525円。100戸のマンションの場合、1戸あたりの負担額は月額840円となる。

(INTERNETWATCHより引用)

マンションの防災対策も進んでいきます。このところ新潟の地震もたいへんですし。大きな地震が増えましたしね。
 

2007年7月19日木曜日

大規模修繕! の前に、読むべき本

 マンション大規模修繕は、大きな峠である。
 ここの乗り越え方次第で、資産価値が決まる。管理組合にとっては試練でもある。しかし、この峠を前向きに楽しみながら乗り越えるか、負担に感じて嫌々立ち向かうかでは、峠の頂から見える風景はガラリと変わってくる。

 専門家たちは異口同音に「管理組合ができたら、まっ先に長期修繕計画を見直せ」と言う。ふつうマンションを購入すると、管理会社から「修繕項目」「仕様」「修繕周期」「工事内容」などに基づいて作成された長期修繕計画表が手渡される。

 素人目にはうまくできているように見えるが、これは実はパターン化されたひな形に数値をはめ込んでいるケースが多い。建物の規模や立地、建築方法、消耗度が反映されたものではない。だから合理的な計画に作り直せ、というわけだ。

 通常、屋上防水や内外壁、バルコニーの床などの修繕をまとめて行う「マンション大規模修繕」は10~13年周期。マンション大規模修繕のたびに多額の修繕積立金が使われる。住民にとっては一大イベントなのだが、多くのマンションでは大規模修繕が1~2年後に迫って慌てて「修繕委員会」を立ち上げてコトに当たろうとする。できればもっと早く、動き出したい。

 修繕委員会の活動は、マンションのどこに何があり、どのような造りになっているのか、くまなく「フィールドワーク」することから始まる。居住者は、自分のマンションについて知っているようで知らない。玄関扉の内側のプライベート空間は熟知していても、ドアの向こう側、共有の廊下やエレベーター、給排水管、電気設備、階段、構造躯体、屋上の防水…などの知識は乏しい。灯台下暗しというわけだが、そこに光を当てる作業が大規模修繕の出発点になる。

■□□ 山のような書籍の中から、この2冊を推す

 建築とは無縁の一般住民がフィールドワークするには、やはりナビゲーターがほしい。

 管理会社のスタッフが「技術知識力」「中立性」「対話力」を備えていれば問題ないが、「いずれマンション大規模修繕工事でひと儲け」と商魂たくましい状態では何をかいわんや。居住者自身がマンションの維持管理の知識を身につけることも大切だ。そこで書籍を参考に、となる。

 マンションの維持管理の本は山のように出版されている。
 私が、個人的に実践的導入書として優れていると感じるのは次の2冊だ。

・『マンション―安全と保全のために』(小林一輔・藤木良明著 岩波新書)

 コンクリート工学と建築学の第一人者が、学者にありがちな「上から見下ろす」姿勢ではなく、居住者の視点に立って、マンションのトラブル、欠陥問題から説き起こし、区分所有法の性格や問題点、管理組合の役割、大規模修繕工事の進め方、その他の保全工事、マンションの再生へと筆を伸ばす。

 ガイド本でありながら、「コンクリートの異常現象」については専門的知見が凝縮されている。特に大規模修繕のカギを握る「ひび割れ」の解説は、説得力がある。もしも、建物のひび割れから「白色の溶出物」が流れ出していたらチェックが必要だ。白い溶出物は「石灰が流れ出して生じた炭酸石灰」の可能性が高く「エフロレッセンス」と呼ばれる。

 「この現象は、ひびわれが部材断面を貫通しているか、部材内部をつうじて水がまわってきていることを物語っている。後者の場合、どこから水がまわってくるかをチェックする必要がある」とのこと。注意すべきはひび割れから「茶褐色の溶出物」が流れ出ている場合。「内部の鉄筋が腐食しはじめているシグナルである可能性が高い。早急に、ひびわれ部分を削りとって、鉄筋の腐食状態を確認する必要がある」と記す。マンションという建物のイロハを教えられる。

 もう1冊はこちらだ。

・『事例に学ぶ マンションの大規模修繕』(住宅総合研究財団マンション大規模修繕研究委員会 星川晃二郎・田辺邦男・山口実著 学芸出版社)

(日経ビジネスオンラインより引用)

管理組合の理事さんだけに任せず、住人皆が少しでも知識を取り入れ、積極的に参加・検討することが、マンション大規模修繕を成功させる第一歩だと思います。ともするとひとごとみたいに文句ばっかり言っている住人が多いですよね。自分の家なんだから、自分でやる、これがマンション大規模修繕